バンコク行きが決まってから、気分的な波はあるものの常に不安と共存してきた。
日本から離れる不安・両親にもしも何かあったらすぐには駆けつけられない不安・費用的な不安、そしてキャリアや自分自身に対する将来の不安。
例をあげればきりがなく、常にこのことが頭をかけ巡っていた。
私が就いていた職業は専門職で、ひとつの求人に対して多くの応募が殺到する。
また、少子化も加速し、求人自体も減っているということを大学時代から何度も聞かされていた。
それでも、諦められず死ぬ物狂いで挑戦し続けてやっと手に入れた席だった。
もともと、地頭は良くなく、飲み込みも要領も良くない。そんな自分が勝ちとったものがものすごく嬉しかった。おそらく、生きてきた中で一番。
昔から何に対しても自信がなく、劣等感のかたまりだったからなおさら。
今回の渡航が決まるにあたって、ポジティブな気持ちの時もあれば、なんだかもったいないような、苦労して手に入れたものを手放すようななんとも言えない落ち込みが何度もあった。
その理由については、考えていたようで、実は深くは落とし込めていなかったかもしれない。
三年、もしくはそれ以上かもしれない期間を職から、日本から離れる。
感覚が鈍るのではないか?帰国後、需要はあるのか?同期との差ができてしまう…などの思いが交錯している。
さらなるレベルアップを求め、ステージを変えようとしていた直前だったからなおさら悔しいのは事実。
しかし、付いていくと自分が決めた。
誰でもない私が。
三年後にどうなっているかわからない。
自身の考え方や状況も不明。
すべてがわからない。
ただ、上京したこの約10年で人生が大きく変わったように、何かしらの変化はあるだろう。
私はやはり、今までのように自分のなりたいビジョンや将来像をどんな時も忘れてしまいたくない。
そう、どんな国に行って、どんなに落ち込んだとしても。